著者は釣りをする武蔵氏を眺めながら、その実際の行動から、武蔵流の釣りの言わば、「道場訓」を考えていた。
1.無益の殺生をせざること。 2.自らゴミを捨てざること。 3.見つけし他人のゴミは持ち帰りのこと。 4.釣り仲間は互いの釣りを尊重すること。 5.地元に迷惑をかけざること。 6.自然への感謝と礼節を忘れざること。
今でも釣りファンの方々や釣り具メーカー、釣具店の方々、釣り番組は、そう言った自然環境の保護やマナーに懸命に取り組んでおられると思うが、今や釣りの人口は日本の人口の一割以上にもなるというから、この大勢の方々の釣りマナーが益々向上していけば、日本人の生活、道徳に大変大きな効果をもたらすことになるだろう。 私がこの勝手に考えた「道場訓」を武蔵氏に見せたところ、武蔵氏は「果たして、僕がちゃんと出来ているか、どうか疑問なところですが、釣り人の一人として、僕も心がけたいですね。前から思っているのですが、釣りとは自然で遊ぶものではなく、遊んでもらうという感覚になるべきなんです。遊んでもらう相手にゴミを捨てて帰るのは、ご飯を御馳走して下さっている相手に、『不味い!』と言っているようなものです。僕はデカイことは言う立場にありませんが、ただただ、魚たちの住む海や川を人間が理不尽に奪う権利はないと思うのです。たまに、『ここの海は汚いなぁ〜。こんな海に住ん ...(次へ)
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