武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 第三章 武蔵流最強の「素」の哲学 〜「素」は人類を救う〜
 掲載日:2011/06/03    ページ: 1 2 3 
   「素の勧め」
この時に発した武蔵氏のセリフがまた素晴らしい。
「あのなぁ、お前、インタビューを受ける俺がここにおるのに、記者会見始まる訳ないやろ。まだ俺の記者会見、始まれへんわ!」
断っておくが、武蔵氏は自分自身を「大物ぶって」こんなセリフを吐いたのではない。「登場人物がいないのに芝居は始まらない」というあくまで物理的なことを言ったままである。その記者会見の時の話を最近、武蔵氏本人に確認したところ、「僕、後で主催者から滅茶苦茶怒られましたわ…」ということである。
また、こんな話もある。
武蔵氏の面倒見の良さは有名である。だから武蔵氏を慕う後輩達も非常に多い。武蔵氏の現役時代の日常の練習のパターンは、朝はフィジカルトレーニングを行い、昼からは正道会館プロコースで練習をして、休憩をし、その後、レンタルビデオを沢山借りて選手寮に戻り、後輩達とともに鑑賞するのである。
ある日のこと、夕食後、武蔵氏はどうしても見たいビデオがあり、後輩達に「俺どうしても気にかかっているビデオがあるんや!借りてくるから待っていてくれ!」と自ら正道会館総本部近くのレンタルビデオショップへ。
その目的のビデオを確保した武蔵氏は、後輩達を引き連れて選手寮へ、DVDをセットして、全員の目はテレビの画面へ集中、わずか10分後、どこからともなく大きなイビキが・・・。                      
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