武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 第四章 武蔵流 釣りの幸福理論
 掲載日:2012/04/09    ページ: 1 2 3 
   「武蔵水族館」
でもある。著者としては一度、「武蔵とTOMOの釣り大会」をファンの方々とやってみても面白いのではないかと思う。そこには「素の中の素」のブラザーズが存在するだろう。
和歌山の北部の漁港で釣りをした時のこと、この時は武蔵氏得意のルアーではなく活きたシラサエビというので釣った。武蔵氏の竿にかかるのは、中型ヒラメに小さなクエ、小さなハタ、小さな鯛など、魚種としては高級魚である。著者は「ヒラメにクエ、ハタの子供、どこか和歌山の養魚場で買い上げてくれないかなぁ〜」と考えていた。勿論、サイズ的にこのまま食べるのは少し無理がある。しかし養殖場で、手のひらサイズのクエが大きく育てば何十万円の魚になるのである。ある程度育った高級魚は子供のうちにお金を出して買い取る価値があるのである。
しかし、武蔵氏は「大きくなって子供を沢山生んでまた帰って来てくれることを祈りましょう」と言って全部海に放してしまった。後日、武蔵氏からメールが入り、「色々な魚のいる和歌山の漁港が気に入り、また釣りに行って、チビクエ、チビヒラメ、チビハタを母方の田舎、天草で土産物店を営む親戚に生きたままで送り、お客さんが鑑賞する水槽で飼いたい」ということであった。