武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 第三章 武蔵流最強の「素」の哲学 〜「素」は人類を救う〜
 掲載日:2011/02/16    ページ: 1 2 3 4 
   「素の哲学」
なんかないさ」と無意識に「素」の状態になって、状況を受け入れている。いきがることも、無理やりに自分自身を鼓舞することもない。
そして、その「素」の境地から徹底的に戦法を練りだし、「武蔵流」と呼ばれる、体格に劣る日本人が体格に勝る外国人選手に勝つ方法も編み出している。そしてまた、それが、観客側の立場から批判する者がいても、「素」の武蔵が、徹底的に「素」を突きつめて出した結論は決して変えない。あくまで「武蔵らしい武蔵」がそこにいる。
また、そしてそこで、武蔵氏が勝利を掴んだり、名声を得ても、威張った態度になっている光景を一度も見たことがない。それもまた「武蔵らしい武蔵」である。

ところで筆者の自動車の運転は独特である。無理もない。知人の付き合いで車の免許を取ったものの、十数年の間、ペーパードライバーで、そこからまた我流で運転を始めたのである。おまけにたまにしか、自動車を運転しないから、物凄い下手糞ドライバーである。仕事がら世界的な有名人も何人か助手席に御乗り頂いたが、その独特のドライビングテクニックに彼らは青い顔をしていた。
しかし、この独特の運転方法で武蔵氏を助手席に乗せて、和歌山の紀伊山脈の花園から高野山の曲がりくねった山道を走った時、武蔵氏だけは私の隣で鼻歌を歌いながら友人たちに、メールを打っていた。筆者の車の助手席に乗る事は、ある意味、世界のスーパーヘビー級格闘技選 ...(次へ)