武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 第三章 武蔵流最強の「素」の哲学 〜「素」は人類を救う〜
 掲載日:2011/06/03    ページ: 1 2 3 
   「素の勧め」
ある格闘技関係者は言う。
「まぁ、とにかく、武蔵は何にしても大物だよねえ。K-1ワールドグランプリの決勝トーナメントの二日前に武蔵の居場所が分からなくなって、どこにいるんだろう?という話になったんだけど、後で分かったのが、ルアーでブラックバスを釣りに出かけていたんだよねぇ。ああいう性格だから、スーパーヘビー級の試合をあの体格で85戦も戦ってあの戦績を残せたのか?或いは、武蔵がもう少し計画性のある几帳面な選手だったら、恐らく、あの才能から言って、何度もK-1の世界チャンピオンに輝いていた気もするんだよね。武蔵の活躍にはTOMOのサポートも大きいね。それで、もうひとつ、もし、あの几帳面な弟のTOMOのウエイトにあったランクがK-1にあったら、TOMOはそのランクの世界チャンピオンになっていたかも知れないよね。まぁ事実、TOMOはキックボクシングの全日本チャンピオンにはなったしね。あの二人の兄弟は天才ですよ」と、こうである。
ワールドグランプリの直前にブラックバス釣り、こんな話は他にも色々とある。
大試合のための前日の記者会見を控えた待合室、武蔵氏は相変わらずのマイペースである。記者会見室は取材陣で満員。いよいよ武蔵氏と対戦相手の記者会見の番である。かなり押し気味のスケジュールに慌てた後輩が武蔵の控え室に走り、「武蔵先輩!武蔵先輩!先輩の記者会見がこれから始まります。早く会場に来て下さい!」 
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