武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 序文
 掲載日:2010/06/21    ページ: 1 2 3 4 5 
選手、TOMOを正道会館総本部の二階で見かけ、二階から階段をおり玄関に向かうと当時もう既に大スターであった武蔵が立っていた。当時の武蔵は既にK−1のワールドグランプリのファイナリストに一度なっており、大阪の町も自由に歩きにくい状態であり、天神祭に出かけた時などファンに揉みくちゃにされていたものである。玄関に立っていた武蔵はそういう理由もあって帽子にサングラスと完全武装をしていた。そして彼もまた良い意味でスターらしからぬ口調で「あのぉ、僕の弟、二階にいませんでしょうか?」。ここで筆者は初めてこの二人が兄弟であったことが頭の中で繋がったのである。やがて、筆者はこの武蔵、TOMOという二人の御兄弟と頻繁に食事し遊びツーリングや釣り、果ては大衆浴場での入浴など日常生活でも御一緒させて頂くことになるが、一番驚いたのはこの御兄弟の性格の良さ「ミスター素」、「素ブラザーズ」とでも呼びたくなるナチュラルさである。私はある日、武蔵に問いかけた、「武蔵先生、いつでも自然体ですね」。武蔵は「素が一番ええんですよ、カッコつけても疲れるだけですから」。またある日私は武蔵に問いかけた。「先生、成長する上で一番大切なことは何ですか?」武蔵は答えた「挫折ですよ!挫折の中から成功や栄光が生まれるんです!エジソンも言うたやないですか。何千回も失敗したんやない。何千回もこういうやりかたではうまく行かんという答えを得たんやと!」武蔵の日常の言葉はさりげなく素であり深い ...(次へ)