武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 第四章 武蔵流 釣りの幸福理論
 掲載日:2012/03/13    ページ: 1 2 3 4 
   「自然に優しい武蔵流フィッシング」
受け「結果的に薬はなく、痩せるしかありません」という言葉を院長の先生から受け、栄養指導の先生には「この様な献立が理想的で」と言われていた時、丁度、武蔵氏からメールがあり、「これから、ちよっと、ドライブに行きましょう!」という事になった。その頃の太りきった私には運動が必要で、少しでも、体を動かさなくてはならなかった。良いタイミングだった。武蔵氏の愛車のひとつ黒のハマーは大阪府の河内長野市へと向かった。滝畑不動明王で有名な河内長野の滝畑ダムの湖畔には、渓流の女王と呼ばれるアマゴやその他ニジマス、鯉などが釣れる釣り堀がある。レストランもある。アマゴは本当に美味しい。昔は山間部では「病人にはアマゴ」と言われた程に体にも良い。そこで二人は釣りをする事にした。武蔵氏は「今、食べれる分だけにしましょうね」と言う。著者にとっては美味しいアマゴなら幾らでも食べれるから、食べれる限度が私には分からない。それが私の病気の原因だ。結局、二人で8匹程のアマゴを釣ったが、ここで武蔵氏はなかなか信じがたい行動に出た。私に「5匹ぐらい自然の川に帰してやりましょう」と言って、武蔵氏は釣りあげた8匹の分の高級魚のアマゴを買い取り、釣り堀のおじさんにバケツを借りてその内の5匹のアマゴを入れて、サクサクとその釣り堀から離れて谷川まで歩いて行くのである。極端に言えばイケス料理店の水槽で泳いでいるトラフグを買って下関に帰しに行くようなものである。
見ていた婦人が ...(次へ)