武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 第二章 武蔵とTOMOの父と母なのだ!
 掲載日:2010/08/16    ページ: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 
あのレミー・ボンヤスキーとの決勝戦での下段蹴りで武蔵がダウンを取ったと思ったんですけどね。回りの観客席の方々も「あれは武蔵が下段蹴りでダウン取ったんじゃないか?」と言ってくれたんですけどね。レミーのダウンとは判断されなかった。残念でしたねぇ!後、まぁ思い出したら、テイ・シェイラの試合でのクリンチのいきなりのイエローカードとか納得いかないこともあったですね。
(著者挿入話:この二度目の世界ファイナリストの試合、武蔵は一日で十三ラウンド戦ったという驚異的な記録を残している。この日一日の武蔵は格闘技史上に語り継がれて何の不思議のない格闘家だった。TOMOは「2004年、兄貴の応援で死にかけた、人生最大の興奮だった」と語る。「武蔵はこの試合で死んでも構わない」と思い死力を尽くしてレミーと戦った。そしてセコンドのTOMOは「自分の命を奪われても構わないから、兄貴に勝たせて欲しい」と勝利の女神に祈っていた。結果、死力を尽くした上の敗北に泣くリング上の武蔵と、自分自身の命を賭けて応援した武蔵が敗れ、武蔵以上にその敗北を惜しむ弟TOMOの姿がセコンドにあったのだ。まさにブラザーズ・オン・ザ・リングである。)
――武蔵氏は現役格闘家を引退されましたけどお父さんの立場から見られてどうですか?
父  日本人であそこまでやれた。それだけで大変なことだと僕は思いますよ。プロで八十五戦、空手の大会入れたら百何十戦やっているんじ ...(次へ)