武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 第二章 武蔵とTOMOの父と母なのだ!
 掲載日:2010/08/16    ページ: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 
スターのお子さんを持って左うちわの生活ですね!」なんて言われて、「左うちわって何よ?!」と思っていました(笑)。高速道路、片道七百円、往復千四百円、私が負担しているのに。どこが左ウチワなんですかね(笑)
――武蔵氏がプロ活動始めた頃、ご自宅ではそんな苦労があったんですね。プロになると聞かされた時はどうでしたか?
母  いや、プロになるというより、二人が言うには石井館長(現・宗師)が「グローブをやれ、グローブをやれ」と言われるということで、「空手の稽古でグローブの方もやっているのかなぁ」という感じでした。そうこうしているうちに「森(武蔵の本名)、9月デビューや」ということになって、こっちとしては「えぇーっ!」って感じですよ。親としては(笑)。最初は、「誰かプロ選手が出られなくて、うち子がその穴埋めに出さされるのかなぁ?」という感じでしたよ。

(著者挿入話:石井館長に「単にグローブの練習をしろ」と言われただけで、プロになると思っていなかったのは、当人の武蔵もTOMOも同じである。そして武蔵はそのグローブの世界ではK−1世界準優勝2度、世界ムエタイチャンピオンの座に輝き、TOMOは全日本キックボクシングミドル級王者に輝くことになるのである。運と縁とは誠に恐ろしい世界である。)
――デビュー戦はあのパト・スミ、パトリック・スミスでした。
母  ええ、それがパトリック・スミ ...(次へ)