武蔵とTOMO 兄弟の伝説 ブラザーズ・オン・ザ・リング
 筆者:不動 武
 第二章 武蔵とTOMOの父と母なのだ!
 掲載日:2010/08/16    ページ: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 
った。TOMOの試合数は武蔵等と比較すると少ない。しかし数少ない試合数の中で確実に勝利を決めている。名前は秘すが空手界のある伝説的な選手が、このTOMOが世界の頂点に立つ可能性のあることを公言し、著者に何度か、「何とかTOMOの試合が見れれば、キックの試合でも、空手の試合でも教えて欲しい」と問い合わせを入れてきていたことは、著者の記憶にはまだ新しい。TOMOは正道空手の技術性の高さを話す。「正道空手では色帯になってくると、組み手も難しくなってきますからね。右のパンチに左のミドルキックを合わせるとかありますけれど、これはムエタイの技術なんですよね。約束組手ならともかく、実際の試合でそれを使えるのは相当な練習量が必要ですからね。僕はこの格闘技の世界で生きれて仲間の輪が広がったことが幸せだと思ってました。でも練習もきつくて、「いつまでもこんなことやってられへん」で"と試合が近づく度に思っていました。恐さを感じた時に、「何でこんなことせにゃならんねん」といつでも思うんですけれど、やっぱり勝った時の感動やそういうのはやらないと感じられないし、"やって良かったな"と思いますね。あんなに興奮できるということはないでしょうしね」)
――お父さんの生まれ故郷の話から始まりましたが、武蔵・TOMO兄弟がよくお母さんの故郷である天草へ帰られる話をされるのですが。
母  私の生まれ故郷でね。周囲4キロしかない島なんですよ。二人と ...(次へ)