武蔵とＴＯＭＯ　兄弟の伝説　ブラザーズ・オン・ザ・リング 　筆者：不動 武 　第二章　武蔵とTOMOの父と母なのだ！ 　掲載日：2010/08/16 　　　ページ：　1　2　3　4　5　6　7　8　9　10　11　12　13　14　15　16　17　18　 スと言われても、パト・スミと言われても、どこの誰だか私は知りませんでしたしね（笑）。私は仕事で忙しかったもので（笑） ――それで武蔵がまずプロになる訳ですが。 母　　最初の頃、グローブの稽古で顔を叩かれるからでしょうね、武蔵は口の中も切れまくって痛そうにしていましたしねぇ。私は武蔵達を見ていて「そのうちに止めるだろう」というような感覚も当時はありましたけど。こんなにずっとプロ選手を続けるとは思ってなかったですね。 ――デビュー戦当日はどうだったですか。 母　　デビュー戦の日は、私は仕事の休みの日だったもの、家でジッとしていたんですが、会場から武蔵のお友達から電話がありましてね。「お母さん！武蔵２Ｒ、パト・スミにＫＯ勝ち！」という電話が入りまして、あの電話の声だけは今でも私の耳に焼き付いて離れませんね。あの子（武蔵）は「武蔵」の名前でデビューできた試合でしたし、私達以上に緊張していたでしょうね。武蔵達が試合の時はいつもそうでした。家でジッとしていてね、もう始まったんだろうか、もう終わったんだろうか、何試合目に行われたんだろうかと。不安ばかりで。 ――パトリック・スミスにはあのアンディ・フグでもＫＯされていますからね。 父　　そうそう。 母　　私はそんなことがあったこと自体知りませんでしたしね（笑）。 ――アンディ・フグが「パトリック・スミスは武蔵の ...（次へ）